日本政策金融公庫の創業融資面談で聞かれること

創業融資の審査では、審査担当者との面談が必ず実施されます。

ほとんどの方は金融機関の審査担当者と話すことは初めてで、不安は大きいと思います。

面談においては何を必ず聞かれるというのはなく、会社ごとにケースバイケースですが、よく聞かれる可能性が高い質問と回答の際のポイントを解説していきます。

1.全体のポイントについて

創業前でお忙しいのは重々承知しているのですが、よく質問される事項については、ご自宅で言葉に出して何度か説明のリハーサルをすることをオススメします。

私もプレゼンは得意な方ではありませんが、前日に3回ほど声に出してリハーサルしておけば、本番で詰まることはまずありません。

また、税理士事務所などでリハーサルのサービスを実施しているところもありますので、そのようなサービスを実施している事務所にお願いするのもひとつの手です。

なお、創業計画書の書き方と審査のポイントについては、
日本政策金融公庫の融資を通すための審査の基準と3つのポイント
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方・記入例。創業の動機などの重要ポイントを解説
をご参照ください。

2.よく質問される事項

(1)事業を開始した理由(創業動機)

これは創業計画者にも記載しますが、審査担当者は創業者の言葉で改めて聞きたいと思うものですから、よく聞かれる質問になります。

基本的には創業計画書に書かれていることをお話すれば良いのですが、ご自分の言葉でしっかりと話せるように準備しておく必要があります。創業動機は、なぜ事業を始めるに至ったかの説明も重要ですが、そこから、「なぜ事業がうまくいきそうか、いかに準備をしてきたか」をアピールすると良いです。

また、創業計画書に書ききれないもので追加でアピールしたいことがあれば、話しても良いです。計画書では事業がうまくいくことをロジカルに説明し、面談では情熱を語るのが良いと思います。

あとは、経歴の話をすると、「昔は不良だった、昔は勉強を全然していなかった、でも今は。。。」というようなストーリーで話す方がいらっしゃいますが、聞く方としては好き嫌いがありますので、あえて審査の場でネガティブな話をする必要はないと思います。

(2)自己資金についての確認

自己資金については、今現在の現預金があれば良いとうわけではなく、「どのように貯めたか」が重視されます。

前職の給料の中から、コツコツ貯めた資金であれば、「お金の管理がしっかりできているな、目標に向かって努力してきたんだな」という印象を与え、最も評価されます。

一方で、創業直前に親族や他人からもらったお金については、かなりつっこんだ質問をされる可能性が高いです。創業融資の審査においては、創業者の通帳の提出を求められるため、いつ誰からいくら入金されたかは、審査担当者はチェックしてますので、ごまかすことはできません。

見せ金については細心の注意を払いますので、少なくとも「用意した自己資金は、全て事業のために使える資金です」ということを説明する必要があります。間違っても、「親からもらった資金ですが、いずれは返済を求められるかもしれません」とは言ってはいけません。

自己資金について詳しくは、自己資金ゼロで起業はできるのか?創業融資の現実は。。。をご参照ください。

(3)売上・費用の見込みについて

日本政策金融公庫は起業を応援する政府系機関ですが、あくまで融資は返済してもらう前提で行います。

売上・費用の見込みから計算して、融資してもらった金額を返済できる計画になっている必要があります。細かな質問はしてくることはそうはないでしょうが、売上や費用の各費目の金額や計算根拠は頭に入れておく必要があります。

日本政策金融公庫の審査担当者は、特定の事業に詳しいわけではないですが、たくさんの創業計画書を見てきていますので、「大体の平均的な収支はこのぐらいだろう」という感覚は持っています。あまりにも楽観的な売上見込み、極端に少ない費用の計画に対しては、なぜそれが実現できるのかを質問してきます。

さらに、個人事業の場合は、生活費の捻出も含めた計画が必要ですので、生活費が考えられていないような計画は、「実現できる可能性は低いな」という印象を与えてしまいます。

(4)事業の強みや差別化について

少し教科書的な話になりますが、競争相手のいない全く新しい事業というのは世の中にほぼないわけですから、事業の成功は”競争相手にいかに勝つか”が重要になります。

審査担当者は、「なぜこの事業は儲かるのか?すなわち、なぜこの事業は競争相手からお客さんを奪えるのか?」ということを知りたがります。

低価格で売るために徹底的にオペレーションを磨いていくのか、前職で培った人脈により仕入先に強みを持つのか、手間はかかり高価格になるが独自の付加価値商品・サービスを売っていくのかなど、競争相手を意識したマーケティング・事業戦略が練られている必要があります。

(5)事業リスクについて

審査担当者は、「どういった場合に事業がうまいかなくなり、それに対してどのような準備があるのか」について知っておきたいものです。

新しく事業を始めるわけですから、事業リスクはたくさんあるのが当たり前ですし、それは担当者も承知しています。問題は、そのリスクに対してどのような対策を取ろうとしているかです。

「いい仕入先が今はありますが、そこが倒産したら、私の事業もダメになるでしょうね。」では審査上はダメで、例え今、全く見当がつかなくても、新たな仕入先を探すような施策を始めている、始めようとしている、ということをアピールしなければいけません。

(6)自身の事業特有の慣行や用語について

さきほども述べましたが、審査担当者は様々な業種の知見はありますが、特定の事業に詳しい訳ではありません。

ご自身が当たり前のように使っている用語や、当然に前提としている慣行についても、実は理解していない場合は多いものです。

金融機関の審査に関わらず、事業を始められたらご自身の事業を簡潔にわかりやすく説明する場面は増えていくと思います。家族にも練習相手になってもらって、「素人でもわかりやすい説明」の練習をしておくと良いと思います。

(7)取引先との取引条件について

取引条件とは、売上先であれば、実際にものを納品してから何ヶ月後に入金してもらえるのか、仕入先であれば、実際にものを検収してから何ヶ月後に支払いをするのか、です。

事業を始めてみないとイメージがわかないと思いますが、この取引条件は資金繰り上は非常に重要で、条件が厳しいほど黒字倒産などのリスクが大きくなります。創業時に関わらず、金融機関はこの取引条件を非常に重視します。

可能であれば申込みまで条件を詰めておきたいところです。予定となってしまう場合でも、この取引条件をしっかり意識した経営を行うつもりであることをアピールしましょう。

なお、実際に取引条件を決めるにあたっても、入金は早く、出金は遅く、を意識するのは当然なのですが、相手との力関係もあり、自社での努力だけではどうにもならないこともあります。手元資金を可能な限り厚くしておき、取引条件は相手有利にし、その代わりに他の特典をもらうこととする、などの戦略を考える必要があります。

3.まとめ

創業融資の審査面談でのポイントを解説しました。

創業計画書作成の段階から、上記のような質問に対して説明できるように意識しておく必要があります。あとは、税理士事務所などを利用してリハーサルすることも有用です。







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