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「開店からわずか11ヶ月…素人だらけの寿司屋がミシュランに選ばれた理由」という記事について、ホリエモンが、「寿司職人が何年も修行するのはバカ」という発言があり、話題になりました。
このミシュランに選ばれたお店は、寿司を握る料理人が全員寿司経験1年未満だそうです。では、ラーメン屋を開業するには、何年修行が必要なのでしょうか?
目次
1.ラーメン屋で成功するかどうかと経験は相関関係にある
公的機関であり積極的に創業支援を行っている日本政策金融公庫は毎年2万件超の創業融資を行っています。
日本政策金融公庫は、創業融資後も貸した資金を返済をしてもらうために創業初期の会社のモニタリングをしていますが、圧倒的にその同業種の経験者の方が返済率が良いといいます。すなわち、同業種の経験者の方が事業を成功させているということです。
飲食店の未経験者でも成功する場合があるのですが、統計的には稀ということになってしまっています。
2.調理学校で勉強することも検討する
冒頭の「開店からわずか11ヶ月…素人だらけの寿司屋がミシュランに選ばれた理由」に出てくる「鮨 千陽」は、調理師学校「飲食人大学」の卒業生と生徒で切り盛りをしているとのことです。この学校は、現場で通用する技術をわずか3ヶ月という短期間で修得できる短期集中型のプログラムが特徴です。
麺の調理の学校ですと、「大和面学校」が有名です。ラーメンのコースですと、わずか7日間です。これだけですぐに開業できるわけではないと思いますが、何軒も成功店を輩出してきた最新の調理法・経営法を学ぶことができます。
3.調理学校の共通点は、科学的な料理手法
飲食店や調理学校で学ぶメリット・デメリットは以下のように考えられます。
(1)飲食店で修行するメリット・デメリット
実際に飲食店で学ぶ場合には以下のようなメリットが考えられます。
- 経営の柱になる「調理スキルの基礎力」を磨くことできる
- 実際の飲食店経営を近くで学ぶことができる
- 長時間働くことで忍耐力・地力がつく
一方で、飲食店で学ぶ場合には以下のようなデメリットが考えられます。
- そのお店の調理法が自分のお店に応用できない可能性がある。
- 実はそのお店の調理法や経営手法が時代遅れの部分が可能性がある。
- 修行が長年になると年を取ってしまう
- 給料が安いと、いつまでたっても開業資金が貯まらない
(2)調理学校で学ぶメリット・デメリット
調理学校のメリットは以下のとおりです。
- (学校をきちんと選べば)最新の調理法が学ぶことができる
- 短期間で学ぶことができる
調理学校のデメリットは以下のとおりです。
- 飲食店経営の理論は学べるが、実際の経営は学ぶことはできない
- 授業料があるため、資金が必要
調理学校のメリットは何といっても科学的な料理方法を学ぶことができることです。経験が浅くとも、レシピを全て科学的に数値化する、効率化を追求する、などにより短期間でおいしい料理をつくるスキルが身につきます。
4.科学的な調理法とはどういうことか?
上記で出てくる調理学校の特徴は何といっても、科学的な根拠に基づいた調理法を学べることです。それは、どういうことなのでしょうか?
例えば、今の味よりも、甘さを2割増し、酸味を1割増すとかを決めて、過去の調理のデータに基づいてレシピを作ると、実際に作るとその通りに出来上がります。2割増す、1割増す、というのはもちろん主観であるわけですが、「実際に1から作って、できあがってみないと味はわからない」という状態よりは効率的にメニュー開発ができますし、再現性も高いため営業時に提供する味も安定します。
その道何十年のプロの職人であれば、これとおなじようなことを感覚的にできてしまうわけですが、科学的な調理法であれば、これがパソコンにデータとして全て残っているので、経験が浅い人でも容易に作れて、また、店のコンセプトやその人の好みや合わせて微修正することも容易で、出したい味に近づけることができます。
5.短期間でプロになることは重要
昔は、うどん店、そば店、ラーメン店等を開業する場合には、必ずどこかで少なくとも3年以上、多いと10年以上も修行して開業する人が大多数でした。しかし、特に中高年で開業する人にとって3年以上の修行が必要というのは長すぎると思います。
さらに、開業するうえでの必要なスキルを体系立てて教えてくれるお店は非常に少ないでしょうし、「最初の何ヶ月はスープの下処理しかさせない」というようなお店は少なくないと聞きます。よって、修行したとしてもご自身が思ったようなスキルが身につかない可能性もあります。
また、長年修行した店のやり方・癖がついてしまって、仮にそれが時代遅れだとするとなかなか開業してから修正することができないとも聞きます。
飲食店に限らず全ての業種に言えることですが、何かを始めるにはスタートダッシュが重要です。「飲食店に必要なスキルを体系立てて教えてくれる学校に通って、その後1年ほど実際に現場で経験を積んで、開業する(開業準備を開始する)」ぐらいの期間が最低限必要です、あとはご自身の感覚・意識・努力次第の問題なのではないかと思います。
6.創業融資を得るには同種の経験が重視される
1.で申し上げましたが、日本政策金融公庫などの金融機関は、いまだに同業種の経験を非常に重視しますので、全く未経験というのはかなりのマイナスポイントになってしまいます。また、開業のために融資を受けるつもりであれば、自己資金が全開業費の1/3程度はほしいところです。
詳しくは、日本政策金融公庫の融資を通すための審査の基準と3つのポイントをご覧下さい。
まとめ
私は実際に飲食店を開業させて成功させたわけではありませんが、成功される方のパターンを見ると、長年の修行は必ずしも必要ではなく、短期間の準備期間であっても、ラーメン屋を開業するための最低限のスキルは得られるのでないかとも思います。後は、ご本人の考え方・努力・準備の進み具合・自己資金の状況によると言えます。
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