ラーメン屋・うどん屋が空き物件・居抜き物件を選ぶときの9つの注意点




ラーメン屋・うどん屋の成功と立地・物件は、非常に密接な関係があります。あるお店が特定の立地・物件でうまく成功している場合であっても、立地・物件を変えるとその成功パターンがうまくはまらない場合があります。やはり、お店の成功と立地・物件の関係を理解していないと、繁盛してるお店をいくら上手くコピーしても成功しません。

1.ラーメン屋・うどん屋の成功例と立地・物件の関係

以下の立地・物件の成功パターンをご覧下さい。

有名なラーメン店の座席数は40席以上

全国的な規模で国内外に多数展開している有名なラーメン店は、全て座席は40席以上というポリシーを持っています。これは、オペレーションの効率化などから考えられたということです。

9席で40回転できるラーメン店があり。立地は都心の一等地型

最近客席の少ないラーメン店が増えています。繁盛店は、9席で1日40回転するところもあるそうです。

都心ですと家賃を含む固定費が高く、相当の回転率が必要ですので、”客単価×粗利率×1席当たり客数×席数ー固定費(人件費、家賃、光熱費等)”で計算される利益が、どの程度の客単価・粗利率で可能なのか、どの程度の回転率(客数)で可能なのか、それが現実的な数字なのかをよく考えて出店を決断すべきです。

郊外のセルフうどん店は80席以上で駐車場が取れる500坪タイプ

セルフサービスのうどん店を見ると投資金額が低そうだと思うかもしれませんが、実際は反対です。客単価の低い分、利益を出すには規模が大きくなり投資額も多くなります。

都心のセルフうどん店は50席以上

都心型のセルフうどん店は、回転数が高い分だけ少ない席数でも成立しますが、それでも50席以上が必要と言われています。

2.コンセプトと立地・物件の関係

立地・物件について漠然と考えている方がが多いのですが、どのようなコンセプトでどんなお客様をターゲットにするか、まずは明確にしましょう。

基本的に飲食店ビジネスは、高級志向か、手軽志向かの2種類と言われています。多くのお店は、高級でも手軽でもなく、中途半端な位置で商売をしてしまっています。例えば、立ち食いのような手軽なお店は、家賃の高い所になるほど成功しやすいとい法則があり、このパターンにそって立地・物件を決めるべきです。一方で、高いお店は、家賃と売上の相関関係はあまりないと言われ、他の要素で立地・物件を決めるべきであると言えます。

このように、基本的には、お店のコンセプトが明確になる前に立地・物件は決められず、コンセプトと立地・物件には一定の関係性があります。

3.新規出店の場合の立地選びの失敗パターン

以下のような立地選びは失敗する場合が多いです。

  • コンセプトを考えずに不動産屋行ってすぐに契約してしまう
    →コンセプトや事業計画を先に作成する必要があります。
  • 初期投資を抑えたいから容易に居抜きの物件を選ぶ
    →短期間で次々にお店が変わる店舗があります。そもそも立地がまずい可能性があります。
  • 家賃と目標売上の適正比率を知らずに立地・物件を選ぶ
    →飲食店には財務的な成功パターンがあります。もちろん例外はありますが、基本は抑えられるべきと思います。

開店すると決めるとすぐに不動産屋行って立地・物件を決める方が少なくありませんが、普通の不動産屋はラーメン屋やうどん屋の最適の立地を知りません。物件を見る目を養うという意味では問題ありませんが、コンセプトや事業計画が定まっていない状態で契約するのは、準備不足のためNGです。

4.都市型の立地の場合の注意点

都市型の立地の場合は以下のポイントに注意してください。

(1)商圏人口が少ないところでは、駐車場のない場所・少ない場所は避ける

都市型立地で失敗することが多いパターンは、駐車場がないところで出店することです。

半径500メートルでの徒歩商圏において、昼間人口が2万人以上の場合だけ駐車場がなくても営業していけると言われています。それ以下の人口であれば、もちろんケースバイケースですが、人口数に応じて駐車場の台数が必要になります。徒歩でお店に来れる人口が少なすぎるためです。

都内でも山手線の外側の駅前等で開店する場合は、線路で商圏を分断されることが多いため、半径500m 以内の昼間人口が2万人を切ってしまう所が多いです。したがって、駐車場が必要ないのかを検討する必要があります。

(2)そのほかの注意点

  • 2階以上で開店する
    →チェーン店と違い、認知度が低い新規開業者にとっては非常に難しいです。私も中を覗けない店に入るのは勇気がいります。
  • 幹線道路沿いで開店する
    →激戦区の場合が多いです。また、目立つ一方、車速が早いため止まりにくいというデメリットがあります。
  • 駅前で開店する
    →当然家賃は高くなります。目標売上と家賃の比率が適正なのかを見極めましょう。

5.郊外型の立地の場合の注意点

  • 幹線道路沿いで開店する
    →都市型と同様に激戦区の場合が多いです。車速の遅い、生活道路沿いが適している場合が多いです。
  • 駐車場のない場所・少ない場所
    →都市型よりもさらに駐車場の必要性は慎重に検討するべきです。

6.あなたのお店に合うのは、都市型か郊外型か

コンセプト、事業計画が決まったら、店舗を本格的に探し始めます。

先に物件を決めてしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます。立地・物件は、お店のコンセプトに合ったターゲット層が多くいないと成功は難しいです。立地の種類は、都市型と郊外型に分類されます。

また、営業可能日の分類では、20日と30日に分類されます。20日立地は、土日に人がいなくなるオフィス街や官庁街などの都市型が多くなります。30日立地は、住宅街などに近い郊外型が多くなります。30日立地は1か月30日分継続して高い売上が期待できる一方、20日立地は土日に極端に売りあげが下がります。

20日立地でも成功しているお店はたくさんありますので、あなたのお店にあった立地・物件を探す必要があります。

7.適正家賃比率は月の売上の7%以下

一般の飲食店では家賃比率は月の売上の10%程度と言われていますが、ラーメン屋などの麺屋はもっと低く7%程度と言われています。

家賃が20万円であれば、月の売上の目標は約285万円ということになります。この家賃比率は、郊外でも都心でも変わりありません。さらに、一般的には、坪単価が高いほど、敷金・保証金の金額(家賃×月数)も大きいです。都内では6-10ヶ月程度が平均的です。

なお、物件の階数が2階以上であった場合には家賃は低くなりますが、上述のとおり2階での開店は大変難しいです。チェーン店などの名前がよく知られているお店は、実際にお店に入らなくてもどんな店・どんなメニューかはイメージができますが、新規開業のお店はそれが当てはまりません。

8.競合店がいない立地を探す

都市型、郊外型に限らず、自分のお店のコンセプトと似ている繁盛店の立地を分析して、その立地と同じような条件の立地・物件を探すと、成功しやすくなります。

個人店で成功しているお店は、競合店がいないところに出店しているお店が多いです。専門家によると、都内には昼間の人口が多い割に、飲食店が少ないエリアがまだまだあるようです。飲食店はローカルビジネスで、ほとんどの場合は限られたお客様の奪い合いですので、競合店がいないというだけで相当成功確率が高まるわけです。

9.まとめ:成功しやすい立地の例

今までの話も含めて、成功しやすい立地は以下のとおりです。

ご自分のコンセプトや事業計画をしっかりと固めてから契約を締結をされてください。

  • 半径500m以内の徒歩商圏で、昼間の人口が2万人以上(可能であれば3万人以上)で、商圏が線路などで分断されていない
  • 飲食店の競争率が低い
  • 昼間人口の年齢構成が、若年層が多い
  • 郊外であれば、車速の遅い生活道路沿いで、駐車場が必要数ある
  • 人口の多いエリアから少ないエリアへの境界線(一般に穴場が多い)







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