融資の際の個人の信用情報や家族情報に関する留意点

日本政策金融公庫 創業融資 信用情報




創業融資を希望する方の中には、「自分の信用情報がブラックなのではないか?このような状態で融資を受けることができるのか?」と疑問を持たれる方がいます。

そもそも、融資の判断において、「信用情報がブラック」とはどういうことなのか、また、「信用情報がブラックであれば融資が難しいのか」、さらに融資申込者本人の信用力を家族が補足できる点について、解説します。

1.個人情報にネガティブな点がある場合に対応

(1)銀行はどこから信用情報をとってきているのか?

あまり知られていませんが、個人信用情報はご自身で見ることができますので、懸念がある場合には、まずはご自身でどのような情報が記載されているのかを確認します。

日本政策金融公庫などの政府系金融機関は、全国銀行個人信用情報センターに加盟していますので、そこから個人の信用情報を確認しています。ご人身でも、全国銀行個人信用情報センターの本人開示の手続きから、日本政策金融公庫側がどのような情報を確認できるのかを知ることができます。

覚えておいていただきたいのが、融資担当者は個人信用情報の内容については質問することはできません 。個人信用情報機関との契約で記載内容については言及できないことになっているからです。「面談で聞かれなかったし、これはバレていないな」と思うのは間違いです。

(2)「信用情報がブラック」とは?

geralt / Pixabay

クレジットローン、消費者ローンが払えなくなったり、その結果として債務整理を行ったり、自己破産を行った結果、上記のような信用情報機関に記録が残ることを、一般には、「信用情報がブラック」と言います。

日本政策金融公庫の場合、全国銀行個人信用情報センターに記載があることを「信用情報がブラック」であるとすると、そのような場合には創業融資は難しいのでしょうか?創業融資が不可能といことはありません。

審査の3大ポイントは、「①経営者の能力」、「②事業計画の実現性」、「③自己資金」ですが、信用情報でひっかかるのが、①、③です。①は過去に失敗したが今はその点も踏まえて成長できている、③は現に事業に使えるための資金を〇〇万円用意できている、ということを示せれば、決定的なマイナスポイントにはならないはずです。

(3)政府系金融機関はノンバンクからの借入を嫌う

ノンバンクとは、銀行のように免許は不要で、貸金業規制法に基づく登録制で開業できる事業者です。消費者金融、クレジット会社、信販会社などが該当します。

政府系金融機関はノンバンクからの借入も嫌います。これは民間の金融機関でも同様です。

理由としては通常 ノンバンクからの借入は金利が高いため 正常な経営の阻害要因になることに加えて、まともな経営者はそのようなところで金を借りることはないという金融機関の共通の認識があるためです。この考え方が正しいかどうかはケースバイケースですが(ノンバンクから借りて後に成功した方も多くいらっしゃるでしょう)、このような理由からノンバンクから一定額以上の借り入れがある場合には、それが原因で審査が NGとなってしまう場合が多いです。

順番としては、「ノンバンクがダメだから日本政策金融公庫」ではなく、「日本政策金融公庫がダメだからノンバンク」が通常です。

(4)虚偽の申告をした場合は?

虚偽の申告があった場合には金融機関は融資を行わないですし、その後の一定期間も新規の融資を行なわないことになります。

(2)に記載のとおり、信用情報に問題があるから絶対に融資を受けれないということではなありませんので、正直に開示して、なお事業がうまくいくということを説明することが重要です。

2.家族の収入なども積極的に開示する

プライベートなことは言いたくないという方は多いですし、私もそうです。しかし、同居されている家族の情報も融資の判断の一つの材料になりますので、開示する必要があります。

融資する側にとっては、「事業が苦しくなった時にどう対応するのか?家族の収入はどのぐらいで、いざという時は助けてくれそうか?」という点は、必ずチェックします。また、事業への追加資金を期待できない場合でも、家族に安定収入があれば家計の負担が小さいと思います。

この時に、家族の職業を単に「会社員」とするよりも、「(上場企業の)〇〇㈱の課長」などと書いたほうが、プラス材料となります。借入申込書に家族を記入する欄があるのは、家計の状況を確認するという目的もありますので、できるだけ具体的に書くことをお薦めします。

3.まとめ

創業融資に限らず、融資を受ける際には、基本的には金融機関は信用情報を確認します。

信用情報がブラックな場合は大きなマイナスポイントになることは事実ですが、「①経営者の能力」、「②事業計画の実現性」、「③自己資金」をしっかりとアピールできれば、融資が通る可能性があります。隠すようなことはせず、諦めずに創業計画書や面談を通して3点を説明するようにしましょう。







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