日本政策金融公庫創業融資時の店舗の賃借や営業許可の留意点

融資 店舗 許認可

飲食店・エステサロン・ヘアサロンなどの店舗型のビジネスにとって、どのような立地・どのような物件を借りるかは、事業を成功させることに対する重要な要素になります。

また、資格や営業許可が必要な業種については、 起業前に取っておかなければそもそも事業ができなかったり、法令違反になってしまう恐れがあります。

今回は、創業融資を受けるという観点からみた、店舗の賃貸借契約や資格・営業許可の留意点について解説します。

1.店舗や事務所を借りる時の留意点

飲食・エステサロン・ヘアサロンであれば、営業するために店舗の賃借が必要になります。また、設計事務所やIT関係、士業事務所など、ほとんどの業種では事務所の賃借が必要になります。この契約については、創業融資を受ける前後でいくつかの留意点があります。

(1)店舗・事務所の物件は、創業融資の申し込み前に決める

賃借する物件は、創業融資を申し込む前に決めておかなければなりません。「渋谷の駅から徒歩5分のビル」などの情報だけでは、融資を受けることはできません。〇〇区〇〇丁目〇〇番〇〇号〇〇ビル5階といった、特定の物件を探し出して、概要資料を提出する必要があります。

ただし、物件を決めると言っても 賃貸借契約をしている必要はありません。賃貸借契約をするのは融資が決まった後でかまいません。ここで問題になるのは、仲介事業者やオーナーに「この物件を借りたいのでキープしておいて下さい」とお願いしても、特に立地の良い物件であった場合には、融資が決まるまでに他と契約してしまうリスクがあることです。オーナーとしては早く確実に契約を結びたいわけですから、「融資がおりるまで待ってください」というのは通用しない場合があります。

申し込み前に契約をするのが良いですが、融資の審査を通らなければ大変なことになってしまいます。絶対的な解決策はないのですが、オーナーとうまく信頼関係を作り抑えてもらうなどの対応策が必要です。

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(2)又貸りをする場合

賃貸借契約を直接行わず、又貸ししてもらって事業を始める方がいます。賃貸借契約で又貸しを禁止する条項が入っている場合が多いので、その点は融資の審査で確認されることになります。オーナーが認めていることの証拠を予め提示できるようにしておきます。

(3) 居抜き物件の注意点

飲食店業界全体で、居抜き物件が非常に流行っています。厨房設備や備品などが残っており初期投資を抑制できるためです。

事業を始める方も例外ではなく、以前も飲食店であった居抜き物件を探す方が多くいらっしゃいます。しかし居抜き物件には注意が必要です。

それは、以前のお店が日本政策金融公庫から融資を受けている場合です。以前のお店の融資が滞っている状態ですと、日本政策金融公庫にとって同じ物件に2重で融資していることになり、日本政策金融公庫はこの状態を好みません。これだけの理由で融資がおりないというわけではありませんが、マイナスポイントの一つになってしまいます。正確な情報の入手は難しいかもしれませんが、不動産の仲介業者などに、以前の店舗やオーナーの状況をそれとなく聞いてみると良いと思います。

なお、実際に売上があがるかどうかという観点からですが、立地がある程度いいのに頻繁にお店が変わるようなところがたまにあります。こうした物件は、頻繁に飲食店が潰れる場所と認識されていることがありますので、近隣の方や同業者にヒアリングをして、何が理由なのかを知っておくべきです。

(4) レンタルオフィスやバーチャルオフィス

最近は、起業当初はレンタルオフィスを利用するという人が増えてきています。融資に関しては大きな障害となることはありません。これは、住所だけ借りるバーチャルオフィスも同様です。

「許可などの問題はないのか」「実際の拠点はどこになるのか」などは確認されることになります。

(5) 自宅兼店舗または事務所

自宅兼店舗または事務所を賃借することについては問題ありませんが、事業を行う上でのスペースをしっかりと確保できていることを図面などで示す必要があります。

エステサロンなどは、お客様を自宅兼店舗に招いてやられる方もいらっしゃいます。創業融資を受ける場合には、備品などをどの部屋に置き、どこで接客するのかを図面を使って説明してください。創業融資は事業に使う備品、敷金、保証金や内装工事について対象で、住居部分は対象外ですので注意してください。

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2.資格許認可などの留意点

許認可が必要なビジネスは、創業融資前に必要なものと、創業融資後で良いものの2つに分かれます。

(1) 融資前に必要なもの

  • 税理士、美容師、理容師などの資格
  • タクシーの自動車免許
  • 医師や歯科医師、看護師などの資格

(2) 融資後の報告で良いもの

  • 飲食店の営業許可
  • 美容院、歯科診療所の届出

なお、不動産業の場合、宅地建物取引士の資格を持っていて、かつ、融資前に宅地建物取引業の免許を取得していることが前提になるケースがほとんです。

また、資格が必要であるかどうかがグレーの場合で資格がない場合、基本的には不可となります。ヘアメイクと称して美容業の許可を取らないケースなどです。

まとめ

賃借する物件を探すタイミングや申し込むタイミングは、自己資金や創業融資の入金の関係で非常に難しくなります。

特に飲食店・エステサロン・ヘアサロンなどの店舗型ビジネスは、店舗をどこにするかが事業が成功するかしないかを大きく左右しますので、情報収集を早めに始めて、十分な準備期間を持つようにしてください。







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