鳥貴族に学ぶ焼き鳥屋開業の成功のヒント

最近都内では鳥貴族の看板を多く見かけます。

関東圏1号店「鳥貴族中野北口店」を東京中野区にオープンしたのが、平成17年だそうなので、初出店から約10年で、都内のサラリーマンで知らない人はほとんどいないぐらいに一気に知名度を上げました。

「これからオープンしようとしている自分には遠い世界」と思うかもしれませんが、参考に出来るものはされてみてはいかがでしょうか?また、創業者の方の趣向に依存する部分ではありますが、拡大を目指される方は、「上場すれば鳥貴族創業者のように何十億円という資産を手にすることも可能」という夢・目標を持たれるのもよいと思います。

1.数字で見る鳥貴族のスゴさは?

28年7月期の財務情報は以下のとおりです。(引用元:鳥貴族会社HP

  • 創業:昭和60年。なお、平成7年に「鳥貴族」単一業態に集中。
  • 従業員数:601人(ほか、アルバイト等が約2,800人)
  • 従業員の平均年齢30.7(歳)、平均勤続年数3.4(年) 平均年間給与4,628(千円)
  • 売上高:245億円
  • (開店から12か月以上経過した)既存店売上高の前年対比は2014年3月以来、約30か月連続してプラス
  • 原価率:32%(直営のみの数字ではないため、直営でどの程度の原価率かはわかりません)
  • 営業利益:15.9億円
  • 売上高営業利益率:6.5%
  • 手元キャッシュ:36.4億円
  • 総店舗数:492店舗。うち直営店が285店舗
  • 時価総額:281億円(創業社長が管理会社含め35%を保持。創業者の資産額は約70億円ということになります)

営業利益率は6.5%と非常に高いです。また、外食特有ですが、平均年齢が低く、勤続年数が短いです。どの会社も従業員の方の定着率を課題に挙げられます。

2.鳥貴族の戦略とは?

会社のHPにも記載している鳥貴族の戦略は、以下のとおりです。(引用元:鳥貴族会社HP

(1)鳥貴族の強みを一言で言うと?

鳥貴族は創業以来「均一価格」を導入し、「280円(税抜)均一の感動」というコンセプトを打ち出しています。

低価格・高価値なサービスを提供し続けることで、一過性の左右されない一貫した店舗づくりを実現しています。さらに、単一業態でのチェーン展開をベースにすることで、資本やノウハウなどを「鳥貴族」に集中しスケールメリットにより質の高い食材を低価格で調達することが可能となっています。

鳥貴族に行くと、やはり「安くてうまい!」という感想を持ちます。値段の割には1品ごとのボリュームが多く、お酒を2-3杯飲んでも、2,500円前後でおさまってしまいます。また、厨房は外国人の方が多いですが、安定したオペレーションが実現できているように感じます。(4)に出てきますが、本社主導の研修・マニュアルの整備がきちんとできていると想像できます。

(2)出店計画について

関西圏・関東圏・東海圏の3商圏にターゲットを絞った出店戦略により、出店したエリアでの消費者認知度の向上、仕入れや物流の原価低減と原材料の安定供給のためのルート確保を行っています。会社では、3商圏の出店可能店舗数は1,027店舗(前期末で492店舗)という結果が出ており、2021年国内1,000店舗に向け物件情報の取得や調査人員の確保など社内体制を強化しているそうです。

鳥貴族は都内の主要な駅に行くとほとんどありますね。あれだけ集中していれば認知度の向上やオペレーションの効率化が実現できそうです。

(3)接客方針

「元気でホスピタリティあふれる接客の提供」をスローガンとして、お客様の再来店につながる接客を提供できるよう、全スタッフに対してスキル・ポジションに応じた様々な研修を実施し、また各店舗に おいてマニュアルを整備することで接客サービスの均質化を図っている、としています。

(4)内装の方針

来店されたお客様に、木による視覚的・触覚的な癒しを感じて頂きたいという想いから、木の温もりを感 じる内装で全店統一し、焼鳥業態には少なかったテーブル席の導入によって、若者や女性客を含め 幅広いお客様が入りやすい空間づくりを心掛けている、としています。

木造の内装は印象的で、居心地がいいですね。

(5)食材は国産で各店舗で串打ち仕込み

鳥貴族は、創業当初から鶏肉は国産のみを使用しています。

また、各店舗で串打ち仕込みする理由は、鶏肉は肉の中でも一番劣化が早いためだそうです。お客様の口に入る少しでも手前で串打ち、仕込みすることが高品質な焼き鳥につながっており、それが既存のチェーン店との差別化になっています。

(6)人件費の高騰、採用難は効率化で対応

居酒屋業態は、どのお店も採用やアルバイトの確保が難しいと言われています。業界全体の人手不足も拍車をかけ、鳥貴族でも時給単価・採用コストの上昇しているようです。

その対応策として、鳥貴族が取り組んでいるのが生産性の向上・効率化です。注文状況を示すモニターを焼き台の近くに設置し、調理の作業効率を上げたり、関東圏の店舗では座席注文システムを導入して、注文取りの業務そのものを減らしたり、配膳時間を短縮する取り組みを行っています。

(7)経営上重視している指標は?

鳥貴族では「売上高成長率」「投資回収期間」「売上高経常利益率」の3つを重要な経営指標として位置づけています。それぞれの目標数値は以下の通りです。

  1. 売上高成長率10%以上を維持する。
  2. 新規出店の投資回収は、5年以内とする。
  3. 売上高経常利益率を、中期的に5%以上を維持する。

設備投資の金額の内訳をみると、北赤羽店(47席)が約30百万円、上野毛店(49席)が約31百万円、自由が丘北口店(97席)が約48百万円になっています。5年で回収ということは、一店舗あたり1年で6百万円から10百万円程度の営業キャッシュフロー(簡単にいうと、営業利益+減価償却費)を出すことを目指していることになります。

まとめ

鳥貴族は席数が100席を超える店が少なくなく、他のチェーン店と比較しても多いです。よって、初期投資も大きく50百万円を超えるお店もあります。

これから創業される方であっても、金額規模は違えど「投資回収が5年以内」というのは目安になります。

融資を受けたいときに作成する事業計画では、回収期間が5年を超えると長い(当然、実際に事業を始めると超えることは珍しくはないですが)という印象を受けます。ご自身の目指される売上高(単なる総額の目標額ではなく、客単価×単価数×営業日数などにブレイクダウンしたもの)、経費のかけ方(これも単価×数量でブレイクダウンします)から算出される利益額が、設備投資額と比較してみて、5年回収になるのかどうかは、融資申込前に、事業計画上できちんとチェックされている必要があります。







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