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カフェ・居酒屋などの飲食店を開くためには、資格や様々な届出・手続が必要になります。大きく2つに分けると、飲食店特有のものと、全ての事業に共通して必要な税務署に提出する書類があります。
今回は、この飲食店の開業に必要な資格や届出・手続ついて解説します。
目次
1.カフェ・喫茶店のオープンに必要な資格とは?
特別なスキルがなくても開業できるのがカフェ・喫茶店・居酒屋の良いところです。
一方、飲食店の営業許可書がないと開業してはいけないことになっています。これは最寄り保健所に申請します。営業許可書を取得するには、食品衛生責任者、栄養士、調理師、菓子衛生士のいずれかの資格が必要になります。
(1)食品衛生責任者
各都道府県の食品衛生協会が行うと6時間以上の養成講習会を受講すれば取得できます。受講料は都道府県によって異なりますが、1万円前後です。この方法が最も簡単です。
詳しくは、講習会の日程と会場 – 東京都食品衛生協会をご覧ください。
(2)調理師
調理師になるには、以下の2つのルートがあります。
- 調理師養成施設を卒業する
- 厚生労働大臣の指定する調理師養成施設に1年以上通って卒業する。
- 免許の申請を行う。
- 都道府県知事から調理師免許の交付を受ける。
- 調理師試験を合格する合格
- 多人数に調理した飲食物を提供する施設や飲食店で、厚生労働省の定める調理の実務経験を2年以上積む。
- 都道府県知事が実施する調理師試験に合格する。
- 免許の申請を行う。
- 都道府県知事から調理師免許の交付を受ける。
(3)栄養士
栄養士になるには以下の手順が必要です。
- 厚生労働大臣が指定する養成施設で2年以上学び卒業する。
- 免許の申請を行う。
- 都道府県知事から栄養士免許の交付を受ける。
(4)製菓衛生師
製菓衛生師になるには以下の手順が必要です。
- 厚生労働大臣の指定する製菓衛生師養成施設で1年以上製菓衛生師として必要な知識と技能を修得していること、もしくは、ブーランジェリーやパティスリーなどで2年以上の実務経験があること
- 製菓衛生師の国家試験を合格すること
- 免許の申請を行う。
- 都道府県知事から製菓衛生師許の交付を受ける。
2.営業許可を取るために保険所に提出するもの
(1)営業許可を得るために保険所に提出するもの
以下のとおりです。新しく営業するときの手続きの流れ-東京都福祉保険局から、フォーマット・記載例をダウンロードできます。
- 営業設備の大要(2通)
- 店舗平面図
- 店舗周辺の地図
- 法人で許可を取る場合には法人の登記事項証明書
- 水質検査成績書(貯水槽、井戸水を使う場合)
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの(講習修了時に交付される手帳、調理師免許など)
- 申請手数料
(2)施設に関する飲食店営業の特定基準
営業許可を得るためには、店舗の施設について、一般基準とうものの他に、飲食店特有の基準(特定基準)を満たしている必要があります。具体的には以下のとおりです。
- 冷蔵設備
食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。 - 洗浄設備
洗浄槽は、2槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備のある場合又は食品の販売に付随するものであって、当該食品の販売に係る販売所の施設内の一画に調理場の区画を設け、簡易な調理を行う場合で衛生上支障ないと認められるときは、この限りでない。 - 給湯設備
洗浄及び消毒のための給湯設備を設けること。 - 客席
客室及び客席には、換気設備を設けること。客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。また、食品の調理のみを行い、客に飲食させない営業については、客室及び客席を必要としない。なお、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律又は旅館業法の適用を受ける営業を除く。 - 客用便所
客の使用する便所があること。ただし、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。なお、客の使用する便所は、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること。
詳しくは、営業許可申請の手引きをご覧ください。
3.テイクアウトを行う場合や深夜にアルコールを提供する場合の許可
テイクアウトや深夜のアルコール提供は別に許可が必要です。
(1)テイクアウトを行う場合
手作りケーキなどのテイクアウトを行いたいなら「菓子製造業」の営業許可を保健所に届ける必要があります。
詳しくは、保険所への届出をご覧ください。
(2)深夜12時以降にあるアルコールの提供を行う場合
また、深夜12時以降にあるアルコールを出すなら「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を所轄の警察署へ届け出る必要があります。
詳しくは、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書をご覧ください。
4.税務署に提出するもの
税務署に提出する主なものは以下のとおりです。なお、以下の書類は、法人設立ではなく個人事業主を前提としています。
(1)個人事業の開業・廃業届出書
開業も廃業も同じフォーマットで出しますので、届けでの名称は「個人事業の開業・廃業届出書」です。これは、所得税の青色・白色申告を問わず提出する必要があります。
この書類は、税務署に対して事業開始の報告をするための書類です。実際には、青色申告承認申請書といっしょに提出するケースがほとんどです。どちらも国税庁のホームページから印刷できるので、まとめて届け出ることになります。
なお、口座開設などの証明にも使う場合があるので、控えをとっておきます。
(2)所得税の青色申告承認申請書
申告には青色と白色があります。青色の特徴は、①白色に比べて多少手間がかかる、②税制メリットがあり税金が安くなる、という特徴があります。少しでも節税したほうが良いため、青色がオススメです。
主なメリットは、以下のとおりです。
- 65万円の特別控除
帳簿作成で複式簿記を行っていれば65万円を課税所得から差し引くことができます。これを青色申告特別控除といいます。例えば、100万円の利益が出ていれば、そこから青色申告特別控除65万円が差し引かれて、35万円に対して税率がかけ算されて納税額が計算されます。 - 赤字の場合、3年間繰り越すことが可能
その年の赤字を確定申告で損失申告することによって、3年以内に出る所得と差し引くことができます。例えば、今年40万円の赤字、来年100万円の黒字だった場合、来年は差し引き60万円に対して税率がかけ算されて納税額が計算されます。 - 家族への給与が全額経費に
事業主の家族を従業員として雇用する場合、その給与を必要経費として課税所得から差し引くことができます。(3)をご覧下さい。
(3)青色事業専従者給与に関する届出書
家族を従業員として雇う場合に一定の要件を満たすと、家族への給与を経費にすることができ、節税できます。要件の一つに、この青色事業専従者給与に関する届出書を出す必要があります。
青色事業専従者の要件は以下のとおりです。
- 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
- 年齢が15歳以上であること(その年の12月31日現在)
- 原則として、年間6か月を超えて、青色申告者の事業に専念していること
※15歳以上であっても高校や大学その他専修学校などの学生や生徒は原則として専従者にはなれません。
(4)給与支払事務所等の開設の届出書
従業員を雇う場合に必要です。事業を開始して、はじめて誰かに給与を支払うことになったら提出する書類です。
給与支払事務所等の開設届出書は、正社員、パート、アルバイト、家族の専従者、雇用する人が誰でも必要で、給料を支払う時に提出します。
なお、開業と同時に従業員を雇う場合には、“個人事業の開業届出書”の中に、給与支払の届出する欄があります。その中に記入すれば、給与支払事務所等の開設届出書の、提出は省略できます。給与支払事務所等の開設届出書の提出期限は、従業員を雇ってから1ヶ月以内です。
5.まとめ
飲食店を始めるにあたっては、届け出の書類は非常に多いです。
これに加えて融資を受けようとすると、事務手続きだけでも膨大になってしまいます。うまく専門家などを利用してオープンまで気を抜かずに頑張ってください!!
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