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解約返戻金の仕訳と税金(消費税含む)と益金算入時期を理解する5つのポイント

保険を解約した時に戻ってくる解約返戻金の仕訳と税金(消費税の処理を含む)と計上時期について解説します。

1.解約返戻金とは何か

保険の契約中に契約を解除すると、それまでに支払った金額の一部が返ってくる場合があります。この戻ってくる部分を解約返戻金(かいやくへんれいきん)といいます。

返戻率(へんれいりつ)という言葉もよく使われますが、これは”解約返戻金/支払った保険金の総額”で計算されます。要は解約した時にどのくらい戻ってくるかの割合です。

2.解約返戻金を使った節税

保険料を支払った時にその全額もしくは一部が経費となり(経費とならないものは資産計上されます)税金が減り、解約して戻ってきたときは、”戻ってきた金額ーそれまでに資産計上された金額”が収益となり税金が増えます。

返戻率が100%であれば契約期間中のトータルの税額やキャッシュは変わりませんし、返戻率が100%を超えれば税額が増え、キャッシュも増えます。保険を使った節税というのは、課税の絶対額を減らすのではなく、課税の繰延を行うものです。

また当然ですが、返戻率が何%であれ、いざという時に保険金がはいってくるという保険本来のメリットがあります。

以下、メリット・デメリットを簡単にまとめます。

(1)保険による節税のメリット

・返戻率が100%であれば、キャッシュフロー的にはトータルで変わらないが、保険の効用(いざという時に保険金がはいってくる)がある

・返戻率が100%を超えれば、キャッシュフロー的に得、かつ、保険の効用がある

・税率が下がる傾向にある場合は、返戻率が100%であっても得。

→戻ってきた金額に対して、戻ってきた時の税率で課税されますので、税率が下がっている場合は課税の繰延は有効になります。

(2)保険による節税のデメリット

・返戻率が100%を下回れば、キャッシュフロー的には損だが、保険の効用がある

・返戻率に関わらず、資金が先行して出て行く

3.解約返戻金に消費税はかからない

解約返戻金は対価性がありませんので、不課税になります。「No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」をご参照ください。

保険金や共済金・・・・資産の譲渡等の対価といえないからです。

4.解約返戻金の益金算入時期

解約返戻金を受け取るにあたっては、以下のようにいつくか基準となる日があり、税金計算をするうえでいつ収益として認識するか(これを益金算入時期といいます)という問題があります。

①会社が解約の請求をした日、②保険会社が通知をした日、③着金があった日

①ー③が同じ期におさまっていれば問題がなく、また、普段は③のタイミングで仕訳を切っておけばいいと思います。

問題は、①ー③が期をまたいだ場合ですが、②が現実的です。税法上は明確な答えがなく個別判断ということになるのですが、②としておけば恐らく問題はありません。ですが、実務上は金額が大きくなると税金計算に与える影響も大きくなるので、決算期をまたぐような場合は事前に税務署に相談する必要があります。

5.解約返戻金の仕訳

保険積立金がある場合とない場合で2パターンになります。雑損失、雑収入に関しては税務上の経費、収益となり、税金計算に影響を与えます。

(1)保険積立金がある場合の仕訳

①保険料を50万円を支払い、半分が経費、半分が資産計上となった。

借方 貸方
保険料(費用) 25 現預金 50
保険料積立金(資産) 25

②その後、トータルで10回支払った。(①と同じ仕訳です)

③解約をし、解約返戻金として200万円が返ってきた(返戻率100%超の場合は、雑損失ではなく、貸方に雑収入です)

借方 貸方
現預金 200 保険料積立金(資産) 250
雑損失 50

(2)保険積立金がない場合の仕訳

①保険料を50万円を支払い、全額が経費。

借方 貸方
保険料(費用) 50 現預金 50

②その後、トータルで10回支払った。(①と同じ仕訳です)

③解約をし、解約返戻金として100万円が返ってきた。

借方 貸方
現預金 100 雑収入 100

6.まとめ

保険を解約した時に戻ってくる解約返戻金の仕訳と税金(消費税の処理を含む)について解説しました。

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