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仕訳が1.5倍速で入力できる!?摘要欄の目的と書き方

経理の担当者であれば、当たり前のように入力している摘要欄。

この摘要欄の入力は、何を目的にし、何の法令等を根拠に入力することになっているか、ご存知でしょうか?また、最近ではクラウド会計の自動取り込み機能で摘要欄を埋めてくれますが、全てにおいて必要な情報を取り込んでくれているのでしょうか?

苦労して入力したにも関わらず、「実は、そこまで入力する必要はありませんでした」ということになったり、クラウド会計で取り込んだ情報が「実は、その情報で不十分でした」とならないように、摘要欄に書くべき情報について解説します。

1.摘要欄を記入する目的

(1)後で帳簿を見たときに何に対していくら使ったかがわかるようにするため

摘要欄を書くのは、ご自身や経営メンバーが「何にいくら使ったのか」について明確にわかるようにするためです。そうすることにより、予算と実績を比較する・来期以降の予算を策定する・コストカット計画を作成するときなどに役立ちします。

(2)税法を守るため

税法では、消費税の仕入税額控除のように、納税額を安くするためには一定の情報を帳簿に残すように定められているものがあります。帳簿の情報が足りないために、納税額が多くなってしまうということもありますので、摘要欄は、税法に従った情報を記載する必要があります。

(3)税務調査をはじめとする外部からのチェックのため

これは、個人事業主や大企業ではない法人にとっては、(2)とほぼ同じことなのですが、外部からのチェックすなわち税務署のチェックで指摘されないために摘要欄にあるべき情報を記載する必要があります。

さらに、上場を目指すような会社や大企業なら、監査法人など外部からチェックされる機会も増えてきますので、チェックされることを意識して帳簿作りをする必要があります。

ほとんどの会社は税法に準拠すれば、(1)ー(3)の目的が達成される

ほとんどの会社は、外部からチェックされる機会は税務調査以外は、ほぼないと考えて良いので、税務調査で指摘されないような帳簿を作れば(2)、(3)は達成されます。また、税法に準拠する程度の帳簿を作れば、後から見直した時に自分でもどのような取引があったか理解できますので、(1)の目的も達成されます。

ということで、ほとんどの会社は、税法に準拠するように摘要欄を埋めていけば良いということになります。まずは、この目的をしっかりと理解した上で、過少もしくは必要以上の情報を記載して余計な手間をかけないように注意しましょう。

2.摘要欄に記入すべき項目

摘要欄に何を書くかは、ほとんどのものについて、実ははっきりと税法で決まっているわけではありません。基本的な考え方は、「相手先と取引内容を記載する」で間違いありません。

一方、特定の取引については、税法で帳簿に記載すべき項目が決まっているものがあります。

(1)消費税の仕入税額控除の要件

その代表例が消費税の仕入税額控除であり、必要な項目は摘要欄を利用して記帳します。消費税は、受け取った税金から払った税金を差し引いて納税するのですが(払った税金を差し引くことを仕入税額控除と呼びます)、差し引くための帳簿の記載要件が以下のとおり定められています。

1 課税仕入れの相手方の氏名又は名称

2 課税仕入れを行った年月日

3 課税仕入れに係る資産又は役務の内容

4 課税仕入れに係る支払対価の額

②、④は仕訳を起こす時に必ず記帳するでしょうから、①の相手先、③の取引内容を摘要欄を使って、適宜補う必要があります。

なお、仕入れについて補助科目などを使ってそもそも①の相手先を記載しているようであれば、あえて摘要欄にもう一度記載する必要がありません。

(2)売上などについては、摘要欄不要の場合もあり

例えば、飲食店で現金売上があった場合を考えます。

①の相手先はお店側で把握することはないでしょうし、現金/売上という仕訳があれば、誰の目から見ても「一般のお客さんへの飲食の現金売上」というのが明らかです。そのような場合は、摘要欄に記載は不要となります。

(3)交際費は必要な情報を補う

交際費か会議費かなど科目を決める上での判断が必要なもの、例えば飲食代について一人当たりの金額が5,000円未満であるかどうか等については、摘要欄に記載する必要が出てきます。

例:営業先の株式会社AのBさんCさん私とで、D居酒屋に飲みに行った。

摘要欄の記載:D居酒屋 飲食代  株式会社A B氏含む2名

交際費の処理について詳しくは、交際費を正しく理解しましょう!5000円基準、損金となるもの、会議費との違いをご覧下さい。

まとめ

摘要欄の目的を明確にして、書くべき内容と書かなくて良い内容を明確にしておきましょう。

そうすれば、入力を1.5倍速で行うことも可能なはずです。

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