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著名ベンチャーキャピタルが重視する投資先の指標-プロダクト編

前回の「著名キャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツの重視する指標-財務編」に続き、HARD THINGSでお馴染みのベン・ホロウィッツが書いたスタートアップの16指標という記事から、日本の慣習や会計の観点から、ビジネス指標の箇所を翻訳・要約させて頂きます。

1.アクティブユーザー

「アクティブ」は会社ごとに無数の定義の仕方があるため、「アクティブ」の意味をきちんと定義して、明記しておきましょう。

2.Month-on-month (MoM) growth(月次成長率)

単純成長率だとバラつきがでるため、平均成長率としてCMGRというものを使うことを勧めています。

式は以下のとおりとしています。

CMGR = (Latest Month/ First Month)^(1/# of Months) -1

エクセルの式にすると、以下の通りになります。

CMGR =POWER(直近月の収益/初月の収益,1/(経過月数))-1

これを理解すると、「サービスリリースした今年1月から今年7月までの単純成長率は~%、CMGRは~%です」と言えると思います。

3.Churn(チャーン。解約)

解約といっても、総額ベースの解約、顧客ベースの解約、純額ベースの解約等の様々なものがあります。

解約は、顧客ベースの解約と収益ベースの収益解約に分かれると思いますが、収益の解約率に関しては、以下のように理解しました。

グロスのチャーンレート(総解約率):

前月に収益があったもののうち当月に失った収益/前月の収益

ネットのチャーンレート(純解約率):

(前月に収益があったもののうち当月に失った収益ー前月に収益があったもののうち当月に増えた収益)/前月の収益

ネットのチャーンレートは、無理やり外食産業に例えると、既存店売上推移に近い指標と思います。外食産業のネットのチャーンレートがプラスになってしまうと、広告の仕方やメニューの変更、店舗改装等を検討します。

グロスとネットは全く異なりますので、きちんと使い分けてください。

4.バーンレート

これはよく使いますので、ご存知の方も多いと思います。初期のスタートアップは通常現金が(燃えるように)減っていきます。バーンレートとは、現金の減り具合を示しています。

月次のバーンレートは、(資金調達がなかったとして)年初の現金から年末の現金を引いて12で割ったものです。

グロスのバーンレート、ネットのバーンレートがあり、グロスは月の支出額の合計したもので、ネットは月の支出額の合計から収益分を引き算したものになります。

さらに言うと、引っ越した場合の敷金や単発の支払等の経常的ではないな支出もありますので、内訳を示して説明できる状態にしておいたほうが良いと思います。

5.ダウンロード数

ダウンロード数は投資家にとっては、空虚なものだそうです。

DAU (デイリーアクティブユーザー数), MAU (マンスリーアクティブユーザー数)、閲覧数といったものを見たいとのことです。

6.累積チャート

累積チャートは、右に行くほど上がるようにできまていますが、その上がりが必ずしも成長していることを示しているとは限らなたいめ、有用ではないと言っています。

投資家としては、月次の成長率、月次収入、新規ユーザー数などを見たいと言っています。

7.チャートのトリック

チャートトリックはよく見られるそうです。

絶対値を示さずに成長率のみを示し、実態を拡張するようなチャートの作り方はやめましょうとのことです。

8.説明する順番

まずは、GMV(流通総額)、収益、契約だかといったサイズ感から説明することが望ましいとしています。

なぜなら投資家はまず市場や売上のサイズ感を知りたいからです。そのうえで興味をもったら、さらに成長率等のディテールのデータを確認していくものです。

9.まとめ

著名ベンチャーキャピタリスが重視する指標を説明しました。いかがでしたでしょうか?事業計画やピッチ資料の作成の参考にしていただけると幸いです。

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